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庄子 哲雄*; 渡辺 豊*; 駒崎 慎一*; 川原 鉄士*
PNC TJ9601 96-003, 38 Pages, 1996/03
本研究では,高速炉構造用316FR鋼についてクリープ疲労損傷の非破壊検出法の開発を目的として,電気化学的手法,集中誘導型交流電位差法(ICFPD)による検討を行った。キャビティの優先的形成箇所となる粒界析出物の定量的検出を目的とし,電気化学的手法の適用性を検討した。1N KOHおよび1N H2SO4+KSCN溶液の2種類の検出電解液を用いたアノード分極曲線の計測を行った。1N KOHにおいて,粒界析出物の選択的溶解に対応するピーク電流が観察され,粒界析出物の析出量という側面からクリープ疲労損傷を検出できる見通しが得られた。また,粒界析出に伴うCr欠乏層の形成に着目した1N H2SO4+KSCN溶液を用いたアノード分極の結果から,損傷度と再活性化率とを対応づけられることが示された。集中誘導型交流電位差法(ICFPD)を用いたクリープ疲労損傷材の計測では,新材と損傷材の間に明確な差が認められた。詳細な検討は今後の課題であるが,電位差信号は,キャビティ,析出物,表面き裂等のクリープ疲労における微視的損傷因子を反映しているものと期待され,電位差の連続モニタリングによるクリープ疲労損傷検出の見通しが得られた。
石山 新太郎; 衛藤 基邦; 奥 達雄*
炭素, 0(153), p.155 - 162, 1992/00
高温ガス炉炉内黒鉛構造物を設計する上で構造用黒鉛材料の破壊靱性値やき裂進展特性を知ることは重要なことである。そのめたの破壊靱性試験を黒鉛材料に適応した場合、破壊時に脆性的挙動をとるため、き裂破壊開始点やき裂進展長さの計測を行うには高度の技術を要する。このため、黒鉛材料についてき裂長さの計測を行う上で有用な測定技術の開発が必要とされている。本論文は、7種類の計測法を黒鉛の破壊靱性試験に適用することによって黒鉛材料に最適な計測法について検討を行なった。その結果電位差法が最も検出感度が高いことが明らかとなった。
古平 恒夫; 宮園 昭八郎; 中島 伸也; 石本 清; 伊丹 宏治
Nucl.Eng.Des., 85, p.1 - 13, 1985/00
被引用回数:4 パーセンタイル:54.54(Nuclear Science & Technology)原子炉圧力容器の構造健全性評価に資するため、国産の超厚Mn-Mo-Ni系低合金鋼4種類を供試し、弾塑性破壊靱性により中性子照射脆化挙動を調べた。中性子照射はJMTRにて 290C,2~710n/cm(1MeV)の範囲で行い、中性子照射脆化は、J破壊靱性及びシャルピー衝撃試験により評価した。得られた結果を要約すると以下のとおりである。1)現在の超厚鋼製造技術で、Cu,P等を低減して製造した鋼材は、中性子照射脆化が軽微である。2)遷移温度領域では、シャルピー吸収エネルギー41Jレベルにおける遷移温度の移行量は、破壊靱性100MPa√mにおける遷移温度の移行量とほぼ等しい。3)直流電位差法は、照射材の破壊靱性及びJ-Rカーブの測定に極めて有用な方法である。
依田 真一; 曽我部 敏明*
炭素, 1985(120), p.43 - 44, 1985/00
本稿は、浴氷、炭素No114(1983)97の論文に対するコメントである。上記論文は、黒鉛材料の破壊靱性試験において、亀裂進展量を電位差法を用いて検出し、弾塑性破壊靱性値を求めている。この中で、ある電極材がJi=0という結果を得たと述べている。このことは亀裂が負荷応力0で安定成長することを意味しており、理論的に不都合である。本稿はこの点を指摘し、さらにこの様な誤りを犯した原因が電位差法による測定にあることを述べ、黒鉛材料において亀裂進展量の検出に電位差法を用いることには注意を要することを明らかとしている。
中島 伸也; 菊池 正明*; 嶋 誠之*
JAERI-M 82-149, 30 Pages, 1982/10
高温高圧純水中における配管材料のき裂伝播を測定する方法として電位差法に着目し、試験片形状、サイドグーブの有無、通電方法、電位差計測に及ぼす負荷レベルの影響等の検討を行った。この大気中での予備的試験の結果、直流電源を用い、一定時間間隔でそれの極性を交番して試験片に通電する方法を用いれば、CT試験への通電時間を短縮でき、長時間安定した計測を行なえることが明らかとなった。また、電位差計測において、負荷に伴うき裂先端の変形の影響がほとんど無視できること、疲労または静荷重によるき裂伝播においてき裂長さの比(a/w)と電位差の比(Va/Vo)により対応が見い出され、高湿高圧下での計測に可能性を見い出した。
松本 正勝; 山内 勇*; 古平 恒夫
JAERI-M 82-068, 16 Pages, 1982/07
疲れき裂進展試験におけるき裂長さの測定を自動的、連続的に行うために、直流電位差法による方法を採用した。本報告は上記の方法によって高温疲れき裂長さを電位差変化として定量的に得るために、SUS304鋼と2 1/4Cr-1Mo鋼についてキャリブレーションカーブを求めたもので高温試験においても室温と同様の精度でき裂長さの測定が可能であることがわかった。
古平 恒夫; 松本 正勝; 中島 伸也
鉄と鋼, 68(8), p.1040 - 1045, 1982/00
単一試験片で、材料の破壊抵抗曲線(J-Rカーブ)を得る手法の確立を目的として、4種類の原子炉圧力容器用銅材を供試し、-60Cから100Cの間の数温度において直流電位差法を適用して3点曲げによる破壊勒性試験を行った結果、以下の結論が得られた。1)き裂長さと電位差変化との関係は、(a+?a)/aと(V+?V)/Vで整理すると、試験片の平面寸法を相似に保てば、試験片サイズ、鋼種、試験温度にかかわりなく、バラツキの少ない一定の傾向が認められる(マスターカーブ)。ここで、aは初期き裂長さ、?aはき裂進展量、Vは初期電位差そして?Vはき裂進展に伴う電位差の増分である。2)上記のマスターカーブを荷重-変位曲線から、単一試験片でJ-Rカーブを求めることが可能である。
古平 恒夫; 中島 伸也; 松本 正勝; 深谷 清
鉄と鋼, 61(8), p.1032 - 1039, 1982/00
板厚250mmのA533Bcl1鋼及び鋼材に熱処理を施して低靭性化を図った鋼材(中性子照射脆化挙動を模擬)を供試して遷移領域から上部棚域にわたって破壊開始時のJ値の試験片サイズ及び温度依存性、シャルピ衝撃性質との相関を調べた結果、以下の結論が得られた。1)へき開破壊域においては、J値に試験片サイズ依存性が認められるが、遷移温度の上昇を100MPa√mのレベルで比較すると、移行量は試験片サイズにかかわりなくほぼ同一で、なおかつ、41Jで評価したシャルピ衝撃試験における遷移温度の上昇と良好な一致を示す。2)上部棚域においては、J破壊靭性の低下率はシャルピ上部棚エネルギのそれより大きい。3)以上の知見より、中性子照射脆化に対する破壊力学的サーベイランス試験方法として、遷移領域ではシャルピ主体上部棚域ではJ破壊靭性により評価することを提案する。
橋谷 博; 武石 秀世; 安達 武雄
分析化学, 28(11), p.680 - 685, 1979/00
著者らが二酸化ウラン中のこん跡フッ素の定量に開発したランタン・アリザリンコンプレクソン光度法が、JIS工場排水試験法に採用され広く環境水の分析に用いられているが、蒸留分離を必要とし操作が煩雑であるので、直接定量法を提案する。環境水中でフッ素定量に最も大きく妨害するものはアルミニウムである。アセチルアセトンがアルミニウムと無色の安定なキレートを生成することに着目し、これをデマスキング剤として用いた。アセチルアセトンはアルミニウムと錯陰イオンを形成しているフッ素のデマスキングのみならず、アリザリンコンプレクソンとキレートを生成してみかけ上負誤差を与えるアルミニウムや正誤差を与える鉄の影響の抑制にも有効であった。またフッ素イオン電極を用いる電位差法にも有用であった。